バフェット氏、3817億ドルの現金を保有…株式市場の高評価を示唆か
ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイの現金保有額が2025年9月末時点で3817億ドル(約508兆円)となり、史上最大を記録した。バークシャー・ハサウェイは第3四半期に61億ドル相当の株式を純売却し、5四半期連続で自社株買いを中断した。こうしたバークシャー・ハサウェイの動向は、最近のニューヨーク株式市場の状況と関連して注目されている。
バークシャー・ハサウェイは2025年第3四半期に134億8500万ドルの営業利益を記録し、前年同期比34%増の実績を発表した。当期純利益は308億ドルで17%増加した。堅調な業績にもかかわらず、バークシャー・ハサウェイの現金比率拡大は、市場の不確実性に対するウォーレン・バフェット会長の慎重な投資戦略を反映するものと解釈される。
最近のニューヨーク株式市場は上昇基調を維持しているが、市場内部では高評価に対する懸念の声が絶えず提起されている。先月28日、ニューヨーク株式市場の主要指数であるダウ工業株30種平均、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)500種指数、ナスダック総合指数が3営業日連続で史上最高値を更新した。しかし、S&P500種指数採用銘柄の相当数が下落するなど、市場内部の不安定な流れも感知されている。
S&P500種指数採用銘柄のうち397銘柄が下落傾向を示し、市場の偏りが深刻化しているとの指摘が出ている。米国株式市場全体の時価総額の36%を8大ビッグテック企業が占めている状況だ。去る4月、ドナルド・トランプ米国大統領の相互関税賦課により触発された市場の底値以降、S&P500種指数の上昇分の60%が8大ビッグテック企業から発生したと分析される。
一部の市場専門家は、現在の米国株式市場の偏りが過度であり、特定のテクノロジー株への依存度が高すぎると警告している。このような状況下で、バークシャー・ハサウェイの現金比率拡大は投資家がより慎重な姿勢を取るべきであることを示唆するという分析が出ている。
ウォーレン・バフェット会長は今年末に最高経営責任者(CEO)の座を退く予定だ。彼の後継構図とバークシャー・ハサウェイの今後の投資戦略に対する市場の関心が集中している。バークシャー・ハサウェイの現金保有額増加は、ウォーレン・バフェット会長の退任を控え、不確実な市場状況に備えるための戦略的な決定である可能性もあるとの分析も提起されている。
投資専門家は、投資決定を下す際には個別銘柄のファンダメンタルズ要素と市場全体の流れを総合的に考慮すべきだと助言する。最近の市場状況は変動性が高く予測が難しいため、投資家は慎重に投資決定を下すべきだ。
バークシャー・ハサウェイの現金比率拡大は、投資家がリスク管理にさらに集中する必要性を強調するものと解釈できる。ウォーレン・バフェット会長は過去にも市場が過熱したと判断された際に、現金比率を増やす戦略を使ってきた。今回の現金比率拡大も同様の文脈で理解できる。
バークシャー・ハサウェイの莫大な現金保有量は、今後の投資機会を伺うための戦略的な動きである可能性も提起されている。ウォーレン・バフェット会長は市場低迷期に割安に評価された優良企業を買収したり投資したりする方法で高い収益を上げてきた。今回の現金確保も未来の投資機会のための準備である可能性があるということだ。
最近の市場状況は金利引き上げ、インフレ、地政学的リスクなど多様な要因により不確実性が高まっている。投資家はこのような不確実性に備えて投資ポートフォリオを多角化し、リスク管理にさらに気を配るべきだ。バークシャー・ハサウェイの現金比率拡大はこのような市場状況に対する警告信号として解釈できる。
ウォーレン・バフェット会長の投資哲学は長期的な観点から価値投資を志向することだ。彼は企業のファンダメンタルズ価値を分析し、割安に評価された優良企業に投資する戦略を追求する。バークシャー・ハサウェイの現金比率拡大はウォーレン・バフェット会長のこのような投資哲学を反映するものと見なせる。
